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学校の帰り道、雨の中、
独りぼっちだ。
天気予報ははずれた。
今日は一日中晴れだって言ってたのに・・・
傘なんてない。
キャー、キャーと言いながら、3人で傘に入って歩く女の子達が、私を通り過ぎていく。
相合傘をしたカップルが、私を通り過ぎていく。
雨にぬれて髪が重くなっていく。
「にゃー」
どこかで鳴き声がする。
私は立ち止った。
「にゃー、にゃー」
小さな子猫が段ボール箱に入って震えながら鳴いていた。
「独りぼっちなの?」
私は子猫の前にしゃがんだ。
「にゃー」
子猫は返事をした。
「じゃあ私の家においで。」
私は子猫を抱き上げた。
子猫の身体についたどろで、私の制服は汚れたがどうでも良かった。
ぬれているのになぜか温かかった。
1人と一匹。
ふと気が付くと雨がやんでいた。
そして空にはすてきな虹が出ていた。
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