54人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「君たちは、彼を復活させたいか?」
倉木教授は短く、それだけ聞いた。
あとは回答を任せる、と言わんばかりに彼は口をつぐんで私たちが答えるのを待っている。
もういない人に会いたい。二度と会えない人に一目会いたい。
もしあの人が、甦ってくれたなら。
それは古今東西、愛するものを失ったときにきっと誰しもが一回は思う願い。
痛切な願いだ。
そして私ももちろん思った。できることならば、もう一度会いたいと。
――これからも一緒にはいてくれないんですか。
――そうだなあ、悪くない提案だけど。……今もう十分俺は幸せだよ、これで十分だからなあ。
その会話をしたのは、つい数時間前だった。
最初のコメントを投稿しよう!