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自分の耳に入ってくる笑い声、くすくす声は全て私に降りかかっているものである気がして、それが被害妄想なのか実際そうなのかもわからないけれど、全てが自分に向けられたもののような気がして、私の胸には少しずつ黒い闇が降り積もっていった。
修学旅行の団体行動の時でさえもそれは変わらず、ついには瀬尾にみんなの前でなじられ、私はだんだんと人の目が見れなくなっていった。
「学級委員、やめさせてください」
自分にはもう無理です。そう担任に告げると、教師は目に見えておろおろとしだした。
「どうしたんだ」
どうしたもこうしたもないです、先生だってクラスの雰囲気は分かってるはずでしょう。
心の中で、声にならない言葉を叫ぶ。
教室に掲示されている集合写真に一人だけ、顔に画鋲を刺されている生徒がいることに、気付いていないはずがない。
机の上にあるマジックペンで書かれた嘲りの落書きに、気付いていないはずはない。
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