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そして私は悟った。もう誰も頼れないということを。
先生でさえも頼れない。瀬尾の親は学校に多額の寄付金を納めていたし、IT業界内でも知らない者はいない著名人で、先生でさえも頭が上がらない。
朝、学校に来て机を恐る恐る覗き込む。
くすくす声と刺さる目線に耐える。
なくなっているものがありはしないかとおびえる。
机に接着剤がべったりと張り付いていないか、席に着こうとするたびに目をこらす。
そんな毎日に消耗していくうち、私は家でも目に見えて食欲を段々と失っていった。
母親は、怒涛の如く怒った。
「せっかく苦労して食事まで用意してやってんのに残すってどういうこと」
ここまで育ててきてこんな子になると思わなかった、そう言われながら食事をする。
私は涙をのんで食事を食べ、母親に気づかれない様に洗面台で嘔吐を繰り返すようになった。
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