54人が本棚に入れています
本棚に追加
みんなと笑っていても、時々ふっと周りを遠くに感じることがある。そういう時、怖くなる。自分は何も感じられていないのではないか、みんな無理に仲間に入れてくれているのではないかという思考に陥るときがある。
心の中に、いつまでも溶けない氷のように確信めいたものがどっかりと中心に居座っている。
本当はずっと一人なんじゃないだろうか、と。
やっと平穏を手に入れたと思ったのに、ふとした時に過去の記憶に否応なく引き戻される。
ちゃんとした笑顔で笑えている気がしなくなって、怖くなる。
そんな時は雨の中、あの東屋に向かった。一回一人になって自分の心の中を覗き込んでから日常に帰る。
それをするだけでも、落ち着く気がして。
その場所に光揮さんが現れるようになってから、昔の記憶のフラッシュバックは少なくなった。
そのはずだったのに。
最初のコメントを投稿しよう!