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やっと理想の生活を送っていけていると思っていた矢先、悪魔が私の前に4年ぶりに姿を現した。
毎日が黒く塗り潰されていく気がして、瀬尾が私の昔の話をして私の周りから人がまた消えていく、それが起こるのは今日か明日かとおびえながら毎日大学へ通う。
もはやあの雨の日の東屋とそこにいる人だけが、そうした状況からぽっかりと切り離されて浮かんだ、私の心の拠り所だった。
今日は雨だ。やっと行ける。
数週間ぶりに心の底がちょっとふわっと軽くなる。
今日もあの人はいるだろうか。まずは何から話そうか。
そう浮き足立つ気持ちで、ポータブル端末でいつもの仲間に連絡する。
「ごめん、今日体調ちょっと悪いから離れて座るね」
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