149人が本棚に入れています
本棚に追加
段ボールごと食材を抱えて、彼女の部屋を急襲する。
ピンポンを押すと、呆れたような顔で扉を開けてくれた。
「まったく、もう。私の話聞いてました?作らないって言いましたよね。」
「うん。でも俺、君の料理が食べたい。
この間君の料理を食べてから、何を食べても味気なくって、美味しくないんだ。
責任取って?」
「なんですか、それ。
責任なんて取れませんからね。」
「ね、つくって?君の料理が食べたい。
珠実の料理、食べさせて?」
「!!」
珠実の名前を呼ぶと、真っ赤になって動揺した。
ああ、ヤバイ。
料理もだけど、彼女自身も食べたくなってしまう。
こんな衝動は、高校生の時以来ではないだろうか。
抱き寄せ、愛を囁き口付けたい。
いっその事、プロポーズして嫁にしてしまいたい。
目眩がする程、珠実が欲しかった。
「し、仕方無いから、明日、お弁当作ります。
もう、今日は何も出ませんので帰ってください!
お気を付けて!!」
食材を奪われ、閉め出された。
まあ、明日の弁当を楽しみにしているか。
最初のコメントを投稿しよう!