胃袋つかまれました

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ーー和泉先輩、今度、私の手料理食べて欲しいなぁ♪ーー しなだれかかってきて、そう囁く女は何人もいた。 ーー何作ってくれるのかな?ーー ーー肉じゃが得意なんですよ♪ーー 男は肉じゃがで落とせ、みたいな伝説信じてるんだろうな、この女。 ーーパスタにしましょうか?ーー はぁ、俺はそんなの食べたくないって気づいてないんだろうな、この女。 まあ、会社の飲み会で隣に座っただけの 女だから、適当にあしらって帰るとするか。 俺は和泉茂輝、28歳。 自分で言うのも何だが、身長もあり、顔も甘いマスクと言われ続け、仕事も将来有望株とあって、モテる。 幼稚園の頃から女の子が寄ってくる。 そう、うんざりする程に。 適当に付き合い、別れてを繰り返してきたが、最近は飽き飽きしてきた。 結婚したいと思えるような女はただの一人も居なかったのだ。 一生、独り者でもいいか、なんて諦めの境地にたっている。 まあ、その内、上司が縁談を勧めてきて断り切れずに結婚、って事になっていそうだが。 夢も希望も無いな、俺の結婚。
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