胃袋つかまれました

4/6
前へ
/31ページ
次へ
秋野珠実、確か、23歳。 短大卒で入社して、3年目の今年異動で同じ部所になった。 俺に秋波を送らない貴重な女だ。 容姿は中肉中背で凡庸。 取り立てて人目をひく所のない普通の後輩。 仕事は割りと出来る方だと思う。 まあ、俺に色目を使わないだけ、仕事はスムーズに進むのだが。 「車で持ってってやるよ。 7時頃になるけど大丈夫か?」 「いえ、悪いですから遠慮します。」 「嫌、いつまでも会社に置いとくのもなんだしな。 貰ってくれて俺は大助かりなんだから。 家、どの辺?あ、電話番号交換しておくか。」 「何か、済みません。食費浮いた上に運んで貰っちゃうなんて。」 ここで、上司が横槍を入れてきた。 「んじゃ、夕飯でも作ってやったら?」 俺はこの間の飲み会の会話を思い出した。 ーー肉じゃがか、パスタだろうか?ーー
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加