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紙袋に入っていた容器をテーブルに並べて開けてみると、全体に茶色かった。
以前女共から、無理矢理受け取らされた弁当の数々は色とりどりで、見た目だけはきれいだった。
だが、ほぼ冷凍食品で埋め尽くされているかのような弁当だった。
食べ盛りの高校生ならまだしも、年齢を重ねた俺は、祖母が作ってくれたような煮物なんかに餓えていたのだ。
「旨い、、、。」
容器一杯の根菜の煮物、炊きたてご飯で握ったのであろう握り飯、ほうれん草のゴマ和えにキャベツの炒めもの。
スープの保温容器も入っていて、豚汁が入っていた。
体にしみるよな味だった。
こんなに旨い料理は久し振りだ。
半分程を平らげ、残りは明日の朝食にしようと冷蔵庫にしまう。
ヤバイ、興味が出てきた所の話ではない。
これは惚れたかも知れない。
俺の傍において、三食手料理を作ってもらいたい。
この俺の胃袋をつかんだ責任、取ってもらおうか。
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