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ミナルの本名をユダ・ミルコと言った。帝国の隣国であるサターシャ共和国の出身で、ラカルとは幼なじみだった。
初等学校、高等学校を同じ学年の同級生として過ごし、ラカルは医術の学校へと進学した。一方、ユダは高等大学院という、より高度な学問を学ぶ進学先を選んだ。
国に一校しかない国立の高等大学院は志望者が多い。そのなかで、ユダは現役で入学試験に合格し、華々しく故郷の誉れになるはずだった。
しかし、三年ぶりに会った彼は何かおかしかった。優秀だった彼はなぜか退学しており、高等学校卒で就職口を探していた。
なにがあったと尋ねてもはぐらかされた。そんなことは始めてだった。何より、彼の容姿が大きく変わっていた。
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