木曜日 Confess her feelings.

2/72
266人が本棚に入れています
本棚に追加
/466ページ
『俺は全てを捨てても、君の傍にいたいと思っているんだ。それじゃあダメなの?』  彼の瞳から大粒の涙が落ちる。  普段泣き言なんて言わないのに、普段とってもプラス思考でいつも私へ『大丈夫』と安心感を与えてくれる、そんなとてつもなく強くて優しい彼が、私の突然の告白にただただ大粒の涙を滴らせているのだから、私もそれ以上何も言えないでいる。 『でも……慎司さんには慎司さんの家庭があるし、私にはそれ以上のものはきっと、あげることは出来ない』 『俺は優姫という存在がいてくれる、それだけが幸せなんだよ!』  珍しいことは続くもので、まるでワガママが通じない子供のように叫ぶ彼。取り乱す姿が、  私の頭と心に刺さる声がコダマして、自分の発言にようやっと後悔の念が渦巻き始めた。
/466ページ

最初のコメントを投稿しよう!