266人が本棚に入れています
本棚に追加
/466ページ
「優姫? よく頑張ったよ、だからもう頑張らなくていい、正直に生きよう」
横に並んで景色を見ているのを利用して、肩を寄せてくれた上に優しい綺麗な手が私の頭を撫でてくれる。
ゆっくりと呼吸に合わせるように『偉かったね』『かっこよかったよ』そうやっていっぱい褒めてくれながらずっとずっと撫でてくれるから、止めたい涙がもっと溢れてくる。
「なんで褒めるのー」
ずっと握りしめていたうさぎ柄のハンカチを、もう遠慮なんてしないでおこうと思い切り涙を拭いて鼻も拭いた。
「ほんっと優姫はチビちゃん、泣き虫だし弱虫だしちょっぴりワガママだしチビちゃんだし」
「けなしすぎー」
「褒めるなと言ったりけなすなと言ったり忙しいな」
あははとわざとらしく笑うともう1度、ぎゅっと私の肩を抱き寄せてくれて、そうだなぁと空を見上げていた。
最初のコメントを投稿しよう!