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「私は優姫がどんな選択をしても親友には変わりない。と言うかね? 何度も言わせないでよ恥ずかしいんだから……。私は優姫が後にも先にも好きな人1番なんだから、幸せを願わないわけないでしょう? 彼女もフッたことになってるんだから」
美優の視線の先には飛行機雲がいて、雲ひとつない青空をキャンパスに真っ直ぐに線を描いていく。
「美優、お付き合いしてたの? その……鞍手さんと?」
「何を今更、話したじゃない」
「遠回しすぎて全然わかんないもん」
「純粋だなぁ」
またあははと笑うと今度はもう撫でられることもぎゅっと引き寄せられることもしなくて、ただ彼女の視線がしっかりと私の視線と同じ高さになった。
「その純粋さいつまでも持ってて欲しいな、私の願いはそれだけ! もちろん幸せになってもらうのが一番だけどね!」
母親の愛にも似た温もりのような、優しい言葉と真剣な眼差しが私の気持ちをまたしっかりと受け止めると言ってくれているようで、ゆっくりと溢れ出し続ける涙が引いてく。
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