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「これでもう俺から離れられないだろ?」
ゆっくりと離れ行く彼の唇の余韻が残る中、また子供のように笑った。
「……なんかごめん、でも」
「もう! ごめんはなし! 今日からまた宜しくね?」
「ーーうん」
都合よく丸め込まれた気もするし、都合よく過去の罪を無かったことにされた気がする。
けれど彼がそれでいいと言うのなら、そうして欲しいというのなら、このまま甘えてなかったことにしてもいいかもしれない。
いや、でもやっぱり過去は精算しなきゃ。
聡がこんなにも頑張ってやり直そうとしてくれているのなら、私もそれなりに……? 頑張ってみよう。
それでもダメなら……。
「あっ! 流れ星!」
長く細い聡の指が空を指したので視線を向ける。
「ん!?」
「だーまさーれたっ」
見上げた先にあったのは流れ星では無くて、聡の嬉しそうな顔だった。
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