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『ウケる。言っちゃえばいいんだよー。アタシと付き合ってるって』
衝撃の真実に私は心臓がバクバクと鳴り響く。
私が好きだった先輩は既に彼女が居たんだ。
そんな事を知らずに、私は先輩に。
『彼女なんて居るって知ったら皆幻滅しちゃうだろ? 夢は持たせてあげたほうがいいだろ?』
『やっさしー。惚れちゃいそう』
『もう、惚れてるだろ?』
キャーキャーと騒ぎながら二人は向こうのほうへと消えていった。
「鉢合わせしなかった良かったな」
「う……うん……」
まだ私の心臓はドドドドと鼓動をけたたましく鳴らす。
そんな私を胡比は心配そうなに見てきた。
「歩けるか?」
「大丈夫。ミルクティー奢ってもらう約束だもん」
「……」
頭の中は真っ白だけど、それをコイツに悟られないようにしなきゃという思いで必死だった。
「わかった。行くぞ」
そんな私をフォローするように、胡比はそっと私の肩をやさしく叩いた。
タピオカミルクティーの売っている店までどうやって行ったのか記憶が曖昧だ。
胡比の他愛のない話にも多分素っ気無い返事しか返してないような気がした。
そのせいか、タピオカミルクティーを持ってきた胡比の顔はなんだか怒っている様な気がする。
「ほら。買ってきたぞ」
「……ありがとう」
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