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Bitter overwrite so Sweet
「ゴメン。君の好意はありがたいのだけど、俺、受験生だし今はそういう気分にはなれないんだよ」
振られた。
「こんな俺なんかより、素敵な人はいっぱい居るだろうし、君に俺なんか相応しくないと思うんだよ」
折角勇気を出して、校舎の裏側に呼び出して、『先輩のこと、ずっと好きでした! 付き合ってください!』と告白したというのに。
思いっきり振られた。
「大丈夫かい?」
私が告白した超イケメンな相手がドアップで近づいたところでハッと我に返り、
「ギャーーーーーー!!」
ビックリして悲鳴を上げて腰を抜かしてしまった。
「き、君、大丈夫かい?」
心配そうに近づいてくる先輩を見て、私はどんどん恥ずかしくなって。
「だ、だ、だ、だいじょうぶですぅぅぅぅうううううう!!!」
と猛ダッシュで逃げてきてしまったのだった。
「……で、教室まで逃げてきたと」
急いで教室まで逃げ帰り、ゼーハーゼーハーと息を切らしながら机に突っ伏している私から事の顛末を聞いて、同じクラスで幼い頃からの仲である、胡比(こころ)がそう口を開いた。
「はい……その通りでございます」
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