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俺は長らく自分の事にしか興味がなく、自分が眠る事、そしてその眠りの中で夢を貪る事だけしか望まなかった。それ以外の楽しみなど無い。人間たちは俺に眠りを教えてくれた頃から変わらず小賢しく、付き合うとろくな事にならないと俺は思っていた所もある。
正直、ラス王子もその典型と言えばそうだ。ただ一つ違う事は……。
彼は自分に嘘は吐く癖に、俺に対しては嘘はつかないという事だ。
というか、たぶん他人に嘘を吐くのがヘタなんじゃないのかな?割と感情が顔に出る。いろいろ悪だくみした事を指摘すると素直に、実はそうだと明かす。その必死に騙そうとする様子と、素直に白状する様子が見ていて滑稽でなんだか面白い。
お前、王子のくせに変わっているなと言ったら、隣の国程じゃないと返された。
それで俺はちょっと……びっくりした。
隣の国……か。この国以外にも国が、あるって事だよな。
俺は明らかに俺を恐れている神官を捕まえて、隣の国とやらについて教えてもらった。
俺がいるこの国はファイアーズという国で、その隣にカルケードという国がある事を俺は、そうやって初めて知った。どうやら他にも国があるらしい事はしっていたが、その他の国のひとつ、隣にカルケードという国があるのをようやく認知したわけだ。
カルケードの王子はラス王子曰く、もっと変わり者だという事だろう?
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