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しかしそのうち、その約束はちょっとだけ変わった。たぶん、俺が安らかな眠りを得る為に人間たちの土地で暴れたからだ。
すっかり眠る方法を忘れてしまって焦った俺は、どうやったらもう一度眠れるか分らなかったので方法を探していろいろ試している間、に人間たちにすっかり恐れられてしまったようだ。
そんなある日、俺に眠りを教えてくれた人間たちがもう一つ俺に教えてくれた。
それは、容易く眠りにつくための方法。俺は喜々としてその方法を人間たちに教わる事になった。
腹いっぱい食べれば良いのだという。
そのように教えてくれた人間に感謝し俺は、それをすぐさま実行に移した。
腹いっぱい食べれば良いと教えてくれた人間の腹を食い破り、骨を砕いて腹に収めた。
何、人間たちは小賢しいだろう?俺と違って容易く嘘を吐く事も知っている。
俺に眠る事を教えた人間も、俺にそれを教えてくれた癖にすぐに邪魔をしてきた。こうやってしまえばもう、邪魔されることはない。
しかし、俺が腹に収めた人間の言っている事は事実だった。
ほどなくして俺に、甘美なまどろみが訪れたのだ。
眠りにつく。夢を見る……そして目が覚めて、再び眠りにつくために腹を満たす。
人間たちは俺の目覚めを恐れた。
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