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供物は人間に限らない事にした。というか、別に俺は人間にしろと文句を言った覚えはないけどな。
先方が勝手に人間を差し出してきただけだろう。
それでその『徳』とやらが稼げて、来世とやらで平穏に生きれるのだろう?
人間たちの手段だ。俺はそれにとやかく文句は言わない。
ただ、約束と違う場合は文句を言う権利が俺にはあるだろう。腹を満たすのに不味いものは食えない。
山と積み上げられた供物とともに、一匹の巨大なモンスターがついてくる。
食後の運動を所望した俺に、人間たちが差し出してきたのは捉えるのも苦労しただろう……砂漠に住む巨大なトカゲやサソリなど。
しばらくはそれらが物珍しかった俺だったが……毎度同じじゃ飽きる。ひねりつぶした後に食べてみたがこれといって美味というわけでもないしな。そもそもそんなに楽しめる相手じゃない。
人間たちで連れてこれるモンスターなんて、たかが知れているだろう。
俺の不満に、ある日から……武装した戦士がついてくるようになった。
これは……面白い。
今まで俺が腹に収めてきた人間たちとは違う。食べられる事で『徳』とやらが積める、とか考えている人間じゃない。俺の所にやってくる武装した戦士は、事もあろうかこの俺を倒そうと本気で挑みかかってくる。
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