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井上氏の全身に覆い被さるように 行者が放った 神罰と称する悪意が一気に 井上氏を包み込もうとした
そのとき
井上氏が 仮眠から抜け出した時 首から掛けていた 反射鏡が 光を放ちました
それは 普通の人には見えない 光でしたが
悪意の塊として 彼に侵入を試みていた
その物には
眩しく 黄金に輝いていました
ピカー~!
一瞬にして
悪意の塊は 行き場を失い
一斉に皆
発した行者の錫杖へと 光に包み込まれて 全速力で 戻って行きました
井上氏の反射鏡は 粉々に砕け散っています
それに気がついた 磯田記者と白鷺秘書は
その時
真大窪駅近くの 高架下に
突如
黄金の柱が 空に向かって延びて行ったのを確認しました
三人が 急いで そこへ駆けつけるや
そこには
爆発でもあったかのような 風が吹き荒れては
あの行者が ボロボロになって 倒れていました
そして 彼の手には 彼が操っていた 悪意を放つ錫杖が握られていましたが その錫杖の先っぽは 物の見事に 砕け散っています
「こいつが 探偵社にやって来た 黒神教団の行者です 警察へ通報しますか」と井上氏が 言い出すのを聞いて
白鷺秘書「いえ うちの誠所長は こいつらの力を現時点では 人間の法律では裁けませんと言ってました ですが この錫杖を壊してしまったこの行者の命運はもう 尽きているから そのまま放っておいても構わないとのことでした」
「それと あとは あなたの仕事を優先してくださいですって言われましたよ」
その言葉を伝えて
白鷺秘書 その場を立ち去りました
それから 三日ほどたち
池ノ上の大寺院坂の上
相談所に 井上氏と磯田記者が 再び 訪れて来ては
依頼された件について うまくいったとの報告 そして 今回の件についてのお礼に伺った訳だが
依頼人からの依頼料金の半額を 手渡そうと言った井上氏の意見を聞かずに 磯田記者が 持って来たのは 西洋の高級タバコ1カートン
それを手土産に渡せば 小太りの中年口髭おやじは 目尻を下げては 大喜びをしています
私に渡された風水堂のフィナンシェのお土産を お茶うけにだしては
茶飲み話が始まっています
「あの行者ですが 罪に問えなくともよいのでしょうか?」
「ああ それは問題ないですよ あの教団の中で。。。」
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