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いやだ。
いやだよぅ…
おいていかないで…
ひとりに、ひとりにしないで…
ぉぃ、
「…っおい!沙織!沙織!起きろっ」
びくっと、飛び起きる。
…か、おる?
おかあさんとおとうさん、は…?
ピシピシと頬を叩かれる。
…痛い。
「ちょっと、痛いんだけど!やめて」
「…おー、やっと目ぇ覚めたか。お前、めちゃめちゃ魘されてたぞ。…泣くし。焦った」
そー言われて、顔の違和感に気付いた。涙の跡が乾いて引き攣る。
…久しぶりにあの夢見た。
そっか、もうそんな時期か。
「や、怖い夢見た。薫がゾンビになって、いっぱいいて、追いかけて来る夢。もー、ガチ泣き!怖いけんやめて!」
「っばか、お前、魘されててこっちは心配したんだぞ!」
「はいはい、ごめんねー。ありがとさん。あー、怖い夢見たけど良く寝たー」
うーん、と背伸びをする。
カーテンは既に開いていて、綺麗な青空が見えた。
…あの日のように、雲ひとつない、青空が。
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