11.

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いやだ。 いやだよぅ… おいていかないで… ひとりに、ひとりにしないで… ぉぃ、 「…っおい!沙織!沙織!起きろっ」 びくっと、飛び起きる。 …か、おる? おかあさんとおとうさん、は…? ピシピシと頬を叩かれる。 …痛い。 「ちょっと、痛いんだけど!やめて」 「…おー、やっと目ぇ覚めたか。お前、めちゃめちゃ魘されてたぞ。…泣くし。焦った」 そー言われて、顔の違和感に気付いた。涙の跡が乾いて引き攣る。 …久しぶりにあの夢見た。 そっか、もうそんな時期か。 「や、怖い夢見た。薫がゾンビになって、いっぱいいて、追いかけて来る夢。もー、ガチ泣き!怖いけんやめて!」 「っばか、お前、魘されててこっちは心配したんだぞ!」 「はいはい、ごめんねー。ありがとさん。あー、怖い夢見たけど良く寝たー」 うーん、と背伸びをする。 カーテンは既に開いていて、綺麗な青空が見えた。 …あの日のように、雲ひとつない、青空が。
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