憂鬱の雨

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憂鬱の雨

「やってらんねぇなぁ……」  大学生の戸島 忠治(とじま ただはる)は、俯きながら下向きに歩いていた。 「どうしてこう、教授ってのは……おっ?」  忠治の頬に、冷たい何かが当たる。  雨だ。 「やっべ……! そういや、これから降るの忘れてた……!」  手にした傘を急いで広げる。  傘はバラバラと雨粒を弾く音を立てながら、忠治を守った。 「急ぐか……家までもうすぐだしよ! それにしても、宿題か……かったりぃなぁ」  忠治は不平不満を呟きながら、マンションの玄関に駆け込んだ。
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