プロローグ

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プロローグ

結局昨日は眠れなかったが、今も眠気は無い。 明るくなるのが早いこの季節。時間も確認せず家を出ると学校に着いたのは始業時間の二時間前だった。家を出る時、心配そうに父が声を掛けてきたが無視してしまった。年頃の娘のよくある反抗として受け取ってくれればいいが、今まで父に対してそんな扱いをしたことが無かったからさぞ心配してることだろう。後で大丈夫だよと取り繕っておこう。 昨日の事を考えないようにするために、気を紛らわすために学校へ来た。誰か早く来ないかな……。 ハッと気がつくともう数人が登校していた。段々と騒がしくなってきた。これなら学校にいる間は昨日の事を忘れられるかも……。 教室の扉が開いた。目が合った。どうしてそんな驚いた顔をするの?どうして? その腕の傷は……。 ああっ……!そういう事だったの!昨日の事は……。ああ……、そんな…………。
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