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「それで? 神様が私に何の用ですか?」
「お主、わしらの役目が何なのか。ちゃんと理解しておるか?」
「えっ?」
「お主らの願い事を叶えるのが役目だと、そう思っておるじゃろ?」
「だって……。だからみんなお参りに来るんでしょう?」
「はっ! これじゃから、最近の若いもんは……」
「なんか、ウチのおじいちゃんみたいなセリフ」
「良いか。わしら神の役目はな、お主たち人の世を見守る事にある。決して、人の願いを叶えるためではない」
「じゃあ、なんでみんなお参りにくるのよ?」
「自分たちの努力を見守って欲しいからじゃ」
「努力?」
「皆、願いを叶えるために努力をするじゃろう? 努力の先にしか成功はない。お主は努力しておるのか?」
「う……」
「健康は……まあいいじゃろう。『仕事で上回るように』などと、ただの僻みにしか聞こえん。ダイエット? 菓子ばかり食べて、運動もろくにしないお主には無理じゃな」
「な、なんで知ってるの!?」
「だから、神様だと言ったじゃろ。お主の事はなんでも知っておる」
「マジか……」
「彼氏にしてもそうじゃ。自分磨きもしない者に、誰が魅力を感じるというんじゃ?」
「……言い返せない」
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