誕生日と初めてのドレス

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「もしかして、俺の噂とか聞いて心配してる?  そのお友達」 言いづらそうにしてた私の顔を見て、閃いたように言い当てたキング。   「そうなんですよね。前の誘拐未遂の件でも相当怒り心頭で」 眉を下げたまま苦笑いした。 「なるほど。会社見学と言うよりは俺に一言物申すって事かな?」 「あはは、そんな感じです」 ビンゴ! キングってエスパーなのかな。 「ククク、そんな困った顔しなくてもいいよ。俺も瞳依ちゃんの友達に会ってみたい。時間作るよ」 「いえいえ、作ってもらう程じゃないです」 滅相もないと顔の前で手を振った。 「俺も興味ありますね。街を統べるキングに文句を言う為に乗り込みたいと言う女性は」 三村さんまで興味を持たないでください。 樹と三村さんは、絶対気が合うと思うけど。 「いいね。快斗、スケジュールの調整頼むよ。近い内に会いたい」 「分かりました」 「出来るだけ早くがいいな」 「では、近日中に調整しましょう。市原さんのお友達の都合はどんな感じですか?」 キングと2人で話を進めた後、私へと話を振った三村さん。 「あ、樹は大学生なので出来れば夕方とかの方がいいかも知れないです」 樹は一度言い出したら聞かないし、キング達も乗り気だから話に便乗しておこう。 ここで断ったりしたら、後で樹にとんでもなく怒られるし。 「なるほど。大学生なんですね。では、夕方の時間帯を調整しましょう。月曜までにはお返事しますね」 「はい。無理言ってすみません」 一個人の事情で社長との面会を許可してもらうなんてありがたい。 「問題ありませんよ。ね? キング」 「そうそう、瞳依ちゃんのプライベートの交友関係を知るチャンスだしな」 三村さんの言葉に頷いてそう言うとニシシと笑ったキング。 親しみやすいその笑みにホッと胸を撫で下ろした。 帰ったら樹に連絡しよ。 彼女は、喜んで乗り込んでくるだろう。  キングの専属受付係になったばかりに、沢山心配かけてしまったし。 樹がキングと対面して何を言うのか分かんないけど、彼女の行動はいつだって私の事を思っての行動だし悪い様にはならない気がした。 ただ、この女好きが樹にちょっかいをかけないか? と言う事がかなり心配なので、面会の時は必ず私も参加しようと心に決めた。 樹を守れるのは私だけだもの。
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