第一話 狼くんの好きな人

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「入っていいですよ」 「……行くとこ、あるから」 「そうですか…じゃあまたあとで会いましょうね」 「……」コク 小さく頷くと、副会長は嬉しそうに笑みを深める。 「…また、あとで」 ひらり、手を振ると副会長は律儀に手を振り返してくれる。 じんわりと胸が暖かくなる。 すこし赤くなった顔を見られないようにさっさと生徒会室の扉を閉めた。 「……へへ」 だらしなく緩む頬に手を当てて笑う。 今日の昼食の時も、会える。 ぽかぽかと暖かい胸に手を当ててひとつ深呼吸。 あまり浮かれているとろくな事がないからはやく保健室に行こう。 アイツ時間守らなかったらすぐ怒るんだ。 …早く行こう。
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