第一話 狼くんの好きな人

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えっと、俺の席は… 「…ぁ」 窓際の、一番前。 ど、どうしよ…誰かに代わってもらわなきゃ でも俺が肌弱いって知ってるの、俺の親衛隊と保険医だけだから… 親衛隊の子に代わってもらいたいな… 「あ、………ぅ」 くるりと周りを見ると、もう移動を始めていた。 「あの、オレそこの席なんですけど」 「ごめ、なさいっ」 慌てて荷物を持ち、とりあえず窓際の席に座る。 じりじりと露出している肌が熱くなる。 「よーし、みんな終わったな。じゃあ授業を始め…」 「あ、あの!僕…目が悪いので、暁月さまと代わってもいいですか?」 そういったのはドア側の後ろから二番目の子。しかも俺の親衛隊だ。 遠いけど…大丈夫だろうか。 「お、おう。暁月、いいか?」 「だいじょぶ、です」 親衛隊の子はほっとしたような表情でこちらを見て、微笑む。 優しい……あ、えっと、あの子は確か俺の親衛隊隊長の清水茜。 気弱な性格だから、きっといっぱい頑張ったと思う。 あとでありがとうって言わなくちゃ。
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