一章

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「痛ぇ~」 目を覚ました相馬は周りを見回す。どこを見ても、白一色。この場所には見覚えがある。 ここは………… 「相馬。目が覚めたか。お前が気絶する前のこと、覚えてるか?」 「俺が鉄の塊に最大の重力魔法をかけたすぐ後までは覚えてる。 それから……」 相馬は生徒が言っていた最後の言葉を思い出した。 「そうだ!あいつはどうなったんだ?」 「あいつってあの生徒のことか?あそこだ。」 そう言って稲森はある場所を指した。 相馬がその場所を見ると、地面に横たわっている生徒とその両側にはジードとグラードもいた。 「おい。そいつは死んでいるのか?」   相馬は正当防衛とはいえ、最後のとどめは全力で魔法をかけたのだ。ダメージも相当なものだろう。 「いや、死んではいない。もうすぐで目を覚ますと思うよ。」 「あぁーもう。うるせーなぁ。静かにしろよ!」 「あ、生き返った。」 「死んでねーよ。かってに殺すな。あと俺は負けてねぇからな。」          生徒が相馬が話し合える(言い争える)ぐらいに回復したことを確認したジードとグラードはこの生徒についてを話し始めた。 「まず、彼の名前は、花井亮介だ。」 「えぇぇ。花井亮介ってあの神に捨てられたっていうやつか?」 「相馬。神に捨てられたっていうのは本当か?俺は一度も聞いたことないぞ。」 ジードとグラードが花井亮介という名前を出した瞬間、相馬は反応したが、稲森は知らないようできょとんとしている。 「ああ。本当だよ。理由までは俺も知らないがな。」 「そうなのか。ジード様、グラード様。理由を教えてもらえますか?」 「本当は教えるのはダメなんだけどね。」 要約するとこうらしい。 ・魔力量を目をつけて、神が花井を選んだ。 ・魔力の制御を教えてもらっていた。 ・しかし、魔力を制御出来なかったので、捨てられた 「そういえば、お前……花井だっけ?これからはどこで生活するんだ?」 「ああ。それはね、稲森君。彼には、ここに住んでもらおうと思っているんだ。」 「「えぇー!?本当ですか?」」 思わず、稲森と相馬の声がシンクロする。 「こんなやつと過ごすなんて嫌だぁー」 「それはこちらも同じだ。お前とは過ごしたくない。」 「あぁ?やんのか?コラ。」 「ああ。上等だよ。」 まだまだ騒がしい日常が続きそうだ。
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