第14話

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第14話

龍への愛に気付いた私は、龍との再会を願った。 今なら、龍のことを大切にできる。 今なら、龍のことを幸せにできる。 そして、龍のことを幸せにできるのは、私しかいないと。 龍との生活をイメージした。 龍の好きな料理。龍の好きな音楽。龍の好きな、、、。 何もいらない。 たくさんの愛をもらったから、今度は私が与えたい。そう思った。 もしも、再び逢うことができたなら、私からプロポーズしようと。 けれど、そんな祈りは届くはずもなかった。 そしてある時、落ち着いていた私の病気が再発した。 怖かった。 またあの辛い日々が訪れるのかと。 生き地獄のような苦しみの中、病気と闘った。 病気を治すことだけを考えて、必死で生きた。 そんな日々の中、いつしか私は、龍のことを忘れていった。 数年を経て、ようやく病気が落ち着き、平穏な日常を取り戻した頃。 私は龍と、再び出逢った。
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