第1話

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第1話

私は、記念日を覚えられない。だから、龍といつ出逢ったのか、いつプロポーズされたのか、いつ別れたのかも覚えていない。 けれど、龍は私の人生において、唯一ビビビときた人だった。 好きになることは、できなかったけれど。 龍と出会ったのは、確か24歳の時。 当時流行っていた出会い系サイト。 私も、例に漏れずハマっていた。 常時、5人ほどとメール。気が合えば会う。会えば冷める。そこでまた、新たな相手を見つける。の、繰り返し。 龍とも、1度会ってみようということになった。 待ち合わせは、うちの近くのコンビニ。もちろん顔は知らない。 先に着いた私は、店内をウロついていた。 そこに入ってきた、1人の男性。 『うわ、綺麗な人。私、この人知ってる。』 それが、第一印象。 綺麗というのは、顔や見た目ではない。 雰囲気。オーラとでもいうのか?私にはオーラは見えないが、例えるならそんな感じ。 もちろん、知っているわけもない。初対面な上、着いた連絡もしていない。 けれど私には、なぜか待ち合わせの相手だと、瞬時にわかったのだ。 そして、何を血迷ったのか、その日私は龍の自宅へ行き、ご両親と夕食を食べることになる。 どういうわけか、ご両親は大歓迎。デザートまで用意されていて。。。 帰りの車の中で、付き合ってほしいと言われたが、私には恋愛感情は生まれていなかった。 けれど、もしかしたら、好きになれるかもしれないと、とりあえず受け入れることにした。 好きになれることなどないと、ほんとはわかっていたのに。。。
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