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「どれにしようか?みっちゃん何着ても似合うから…迷っちゃうよ」
「アッ君ってば・・・」
私は、3ヵ月後に挙式を控えるカップルの衣装決めに付き添う。
先ほどから見ていれば、いちゃいちゃしちゃって。
幸せなのはわかるけど、いちゃいちゃするなら、二人っきりの時にしてくれ!!
「一層、アッ君じゃなく、貴方に決めて貰おうかな?」
新婦が初めて、私に目を向けた。
「かしこまりました。お似合いのドレスを見繕って参りますので、暫くお待ちください」
私はそうカップルに言うと、衣装室へと駆け込む。
大体、新婦はぽっちゃり体形。
細く見えるウエディングドレスと言ってもね・・・
私は悩みながらも、ドレスをチョイスして、カップルの前にドレスを何着か持って行った。
「これなんてどうですか?」
「これ??うーん。ダメかな」
新婦は、私が選んだドレスを即座にダメ出しする。
一応試着したが、どれもお気に召さない様子。
「アッ君が選んだドレスの方が良かったかな?」
結局は、新郎の選んだウエディングドレスに決めた。私の選んだドレスはすべてボツにされ、新郎の選んだフリフリのウエディングドレスに決定した。
私から見れば、みっちゃんには全く似合っていないんだけど。
「次はお色直しのドレス決めようか?みっちゃん」
「うん」
二人はお色直し用のカラードレスを選びに、隣の場所に移動した。
そこでも、二人でいちゃいちゃしながら、衣装選び。
仕事とは言え、二人のいちゃつきは目に余る程。
他の皆も忙しそうに動いている。私は軽く嘆息し、二人をワザと見ないよう顔を俯かせた。
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