結婚したくない理由

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****** 「ほら、飯だ!」 彼は私に向かって、コンビニ袋を渡した。 向かいのソファに腰を下ろし、私と同じコンビニ袋をローテーブルに置く。 中身はチキン南蛮弁当とペットボトルのお茶。 「これが支配人のランチですか?」 「まあな。何か文句あるか? 文句言う時間があるんなら、さっさと食べろっ」 「頂きます」 彼は私よりも先にお弁当の蓋を開け、チキン南蛮にタルタルソースをかけていた。 「AIが決めたと言え、お前…俺と結婚出来るんだぞ。嬉しくないのか?」 「私はそもそも結婚する気はありませんから・・・」 「・・・一生独身でいる気か?」 「そのつもりです」 「おかしな話だな。一生独身のつもりなのに、どうしてウエディングプランナー目指して、専門学校に入学し、卒業した?」 「それは…人の幸せのお手伝いする為に・・・」 私は結婚に対して、夢が持てない。支配人は容赦なく、私の矛盾する思いを突いてきた。 私が結婚に夢を持てないのは亡くなった両親のせい。 「…俺がお前に夢を持たせてやる」 「何度も言いますが、結婚する気はありません」 「お前になくても、結婚してくれなければ、俺が困るんだ!」 「ホテル王なれないからですか?」 「そういうコトだ」 支配人は声を強め、返すとご飯を口を運んだ。 「俺だって、ホテル王になれなければ、結婚なんてしないさ」 「お互いに結婚願望がないってコトですね・・・」
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