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「姉ちゃん、仕事辞めるのか・・・」
バイトを終え、支配人室に遊びに来た克実。
私と晃祐の3人で応接ソファでコーヒーを飲む。
「仕事は辞めないわよ。晃祐の秘書として事務全般の仕事をするから・・・」
「なんだ・・・そうなの?」
「まあな」
「もうすぐ、由岐さんが来るはず」
「えっ!?由岐が!!?」
「私に秘書の仕事の引き継ぎに来るのよ」
全く歌えなかった由岐さんも、彼女と子供の為に一大決心をして、この間、当ホテルで『バタフライ』のメンバー達と記者会見。
自分の病と授かり婚を報告。
少しずつだけど、歌えるようになり、『バタフライ』のヴォーカルとしての復帰の為にボイトレを頑張っている。
ドアのノック音。
「俺が出るっ!!」
と克実が腰を上げて、支配人室をドアを開けた。
「久しぶり、克実君」
「お久しぶりです!!」
由岐さんの髪の色が『バタフライ』の由岐のトレードマークだった紅い髪に染まっていた。
「由岐・・・」
「晃祐さん、お久しぶりです」
「元気そうだな」
「はい。優亜さんもお久しぶりです」
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