スイートルームの新婚作家

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浅香先生は額に手を当て、俺から顔を逸らした。 俺はそんなに頭の痛くなる話したのだろうか? まぁ、そもそも浅香先生と愛名との入籍には不審な点が多い。 噂では偽装結婚だとか言う輩がいるのは事実。 「浅香先生」 「!?」 「貴方はもしかして、奥様との夜を避ける為に当ホテルをご利用なさっているんですか?」 「愛名とは言え、自分の仕事を邪魔されたくない。だから…ここで・・・」 浅香先生は慌てぶりは尋常ではなかった。 「やはり噂は事実なんですか?」 「偽装結婚のコトか?」 「はい」 「俺と愛名の結婚は偽装じゃない」 浅香先生は俺に向きに返した。 「愛名には両親に言えないコトがあって…俺はその言えないコトの為に彼女と結婚した」 「・・・」 「支配人とその相手の彼女の馴れ初めは実に面白かった。小説のネタには格好だと思ったけど、やめとく。支配人も忙しいだろうし、話は終わりにしよう」 「では、失礼致します」
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