2780人が本棚に入れています
本棚に追加
「入るぞ。晃祐」
ドアを開け、副支配人の小早川夕都(コバヤカワユウト)さんが入って来た。
「夕都か・・・」
「なんだ?早速、習志野さんとご対面か?晃祐」
「ああ~俺は習志野と結婚するコトにした」
「・・・昨日はあんなに嫌がっていたのに…なんだその気の変わり様は・・・」
副支配人は銀縁の眼鏡を弄りながら、訝しそうに支配人を見つめる。
「別に何もないさ。AIが決めた女だ。マッチングは最高なんだろ?」
「晃祐と結婚するとなれば・・・習志野さんは私の義理の姉になるのか・・・」
「それは…まだ…正式に決まっていませんから・・・」
「何言ってんだ?このホテルの支配人は俺だ。
ここで、働いている以上、お前は俺の命令に従うしかいない。俺と結婚するんだ。いいなっ!習志野」
「晃祐、それではパワハラだ。大体、結婚は人生の一生を左右する案件だ。
慎重になる習志野のキモチを理解してやれ」
「・・・俺のよう御曹司と結婚できる。
彼女の一生は安泰だと思うが…」
「・・・まぁ、その話は後にしてくれ。仕事の話をしよう。晃祐」
「そうだな」
「私はどうすれば・・・」
「どうすればって・・・君は持ち場に戻りなさい。習志野さん」
「では、失礼します」
最初のコメントを投稿しよう!