2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……さてと。ネリー、ちょっと俺、寝るから……」
「え……カエティス!?」
女性の愛称を呼んで、カエティスはゆっくりと目を閉じた。
女性の髪に触れていた右手がぱたりと落ちた。
「いや……お願いだから……逝かないで……」
呆然とカエティスを見つめたまま呟いた。恐る恐るカエティスの手に触れた。冷たい。
冷たい彼の身体に、女性は絶叫に近い悲鳴を上げた。
何もない荒野で女性の悲鳴は天を貫き、白い光を呼んだ。
その光が、カエティスの運命を変え、静かに新しい歯車が廻り始めた……。
最初のコメントを投稿しよう!