序章

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「……さてと。ネリー、ちょっと俺、寝るから……」 「え……カエティス!?」  女性の愛称を呼んで、カエティスはゆっくりと目を閉じた。  女性の髪に触れていた右手がぱたりと落ちた。 「いや……お願いだから……逝かないで……」  呆然とカエティスを見つめたまま呟いた。恐る恐るカエティスの手に触れた。冷たい。  冷たい彼の身体に、女性は絶叫に近い悲鳴を上げた。  何もない荒野で女性の悲鳴は天を貫き、白い光を呼んだ。  その光が、カエティスの運命を変え、静かに新しい歯車が廻り始めた……。
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