飴のち晴れ

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飴のち晴れ

私はしばらく呆気に取られて口を大きく開け、ぽかーんとしていたが、次第に涙が溢れ出てきた。 そして大人気なく地面に尻をつき、大声でわんわんと泣き始めた。 今まで仕事や人間関係の悩みで溜め込んでいたストレスや無理に大人ぶっていた反動で限界にきたのである。 私は人目もはばかられず、思いの丈泣いた。今は子どもの姿だから気にしない、泣きたいだけ泣こうと思った。 目が赤く腫れ上がり痛みを感じたところで私は落ち着きはじめた。 泣いてしまったのもキャンディーの効果なんだろうか。 徐々に正気に戻りスッキリした気持ちになり、すくっと立ち上がった。 体が元の姿に戻っている。キャンディーを食べる前と同じ大人の自分に。 そして周りの世界も元の風景の色に戻り雨も上がって地面も濡れていなかったかのように乾いている。 一体今までの出来事はなんだったのだろうか。 女の子は何者だったのだろうか。 キャンディーを舐めている時のことを思い出すと頭がキーンと痛くなり、目眩がする。 「まぁ、心が軽くなったからいいか。キャンディーをくれた女の子ありがとう」 私はそう思い、スキップをしながら自宅への帰り道を通った。
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