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水たまり
「あぁ、どうしよう、バス間に合わないかも…なんで寝坊するかなぁ…」
昨日早めに寝たはずなのに起きた時には家を出る時間になっていた。
私は慌てて支度をし、家を飛び出し会社の近くへ止まるバスに乗るため公園の向こう側のバス停へ走った。
すると何やら水の音が聞こえてくる。
「ぴちぴち、ちゃぷちゃぷ…」
横断歩道の向かい側の公園に水たまりで遊んでいる女の子が見える。
「ぴちゃぴちゃ、ぱしゃっぱしゃっ…」
傘の先で水を跳ねさせ、水が跳ねる度に避けて楽しそうにはしゃいでいる。
私が横断歩道を渡り、公園の入口へ近づくと水たまりで遊んでいた女の子と目が合った。
「お姉さんも水たまりで遊ぶ?」
女の子は潤んだ瞳を輝かせながら私に話かけた。
「お姉さん今からお仕事に行くから遊べないんだ。ごめんね。」
私は申し訳なさそうな顔をしてと女の子に言い聞かせるように告げ公園の前を立ち去ろうとした。
すると女の子が待って、と私を呼び止める。
「お姉さん!これ、あげる!」
女の子が私に差し出したのはころっとまん丸の水色のキャンディー。
私はこのキャンディーが不思議に思え、じっと見つめたのち気が進まないながら女の子からキャンディーを受け取った。
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