第Ⅰ話 †政略結婚式(前日)†

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だけど、ここはお城の最上階… わたくしに逃げ場はない バルコニーからは憂鬱になるぐらい 晴れた空がみえる プレヒティーヒ・レフィナド・エーデル・ローゼ… わたくしの政略結婚相手 お母様とお父様からは 青薔薇生産ナンバーワンの家系の貴族だと聞いてる… 栽培、販売、輸出を重ね わたくし達の家系と同等の資産を稼いでると… 一緒になればお互いの家系が繁栄するんだって プレヒティーヒの写真もみたけど、わたくしより8歳 歳上でその写真から受けた印象は冷徹な感じ… こんな人と一緒になったって いいことなんてないですわ! わたくしは扉の前から立ち上がって ベッドの上にダイブする 明日は最悪な一日になるわ… わたくしはベッドの上からバルコニーの外を見る 沈み行くお日様が嘲笑ってるの 外もすっかり暗くなって 月が顔を出してきた 月がわたくしを見下ろしてきてる… 明日なんか、来ないでほしいわ! いっその事ここで… い、いや…なにか他に方法があるはず 命を投げ出してはいけませんわね わたくしは枕に顔を埋(ウズ)めて目を閉じる 明日は最悪な日になる… でも、きっといい日に変える方法があるはずなの… きっと…なにか………
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