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わたくしは女中にすぐに部屋に連れ戻された
女中
「もう!グレイスさま!
みっともない姿は見せてはいけませんっ!」
完全に見られた気がしますわ…
女中にブラシで髪をとかされて
おしろいと口紅、アイシャドーをつけられた
ベールを被せられ、青薔薇の
花束が持たされましたわ…
慌ただしく、お城のエレベーターで
下の階まで連れていかれる…
1階エントランスにはお父様と
お母様が待ち構えていた
お父様
「遅いぞ、グレイス!
とにかくパパと腕を組みなさい
花婿の所まで連れていってやろう…」
わたくしはためらいながらも
お父様と腕を組み
振り向いてお母様と女中に視線を向ける
お母様
「ママもあとから行くから
プレヒティーヒ様と待っていて…」
お母様はわたくしに軽く手をふり
わたくしは小さくため息をついて正面を向く
お父様
「グレイス…ため息をつくな
これはビジネスなんだから…
失敗するんじゃないぞ?」
ふん…お父様もお母様も
利益にばかり目が眩んで…
わたくしの気持ちなんか知らんぷり
ほんと、嫌になってしまいますわね
お城から中庭に出てそのまま
紅茶畑を通り、裏庭に向かう…
茶葉のアーチ前に青髪の男が
こちらに視線を向けながら立っていた
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