第Ⅱ話 †政略結婚式(当日)†

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んんっ…プレヒティーヒの唇が乱暴に離れ わたくしは、深呼吸して 神父様に向き直り、プレヒティーヒも向き直った… 神父様 「こんなにも愛がない結婚式は初めてだな… ふう、では…ブーケトスをお願いします。」 わたくしはプレヒティーヒから離れて 観衆に背を向けて青薔薇のブーケを投げる 「わたしがもらうわ!」 「いいえ!わたしが!」 急に騒がしくなって、振り向いてみましたわ… すると、招待されていた貴婦人達が そのブーケを取り合っていましたの! 青薔薇の御曹司 プレヒティーヒ・レフィナド・エーデル・ローゼ 「フン…やはり、私の青薔薇は人気だな…」 プレヒティーヒに視線を向けると 彼は微笑していて、わたくしはドキッとする 青薔薇の御曹司 プレヒティーヒ・レフィナド・エーデル・ローゼ 「なんだ…何をみている、グレイス…」 真顔に戻ったプレヒティーヒにはっとするわたくし… わたくし グレイス・グラーツィア・セレナー・ティー 「べ、別になんでもありませんわっ…!」 プレヒティーヒの隣に立ち、ブーケを奪い合う 貴婦人達を眺めていたけど神父様が口を開いた 神父様 「新たな夫婦の誕生です! 皆様、拍手を…!」 辺りからはうるさいぐらいの 拍手喝采が鳴り響く
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