人類の未来は明るいのだ!

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 いきなりで申し訳ないんだけど、タイムマシンを発明してしまったのだ。  というわけで、さっそく時間旅行に行くことにするのだ。未来に行くのもいいけど、過去に行くのだ。  何故過去に行くのだって? タイムパラドックスって知ってるかな。そう、別名『親殺しのパラドックス』と呼ばれている現象なのだ。天才の僕が頭の悪い君たちに理解できるように説明するのだ。  タイムマシンで過去に行った僕が、僕をまだ産んでいない実の親を殺すとどうなるか。当然僕はこの世に産まれてこないことになるのだ。ということは僕が親を殺したら僕の存在が消滅するのだろうか。でも、おかしいのだ。  僕が、この世に産まれてこないんなら、僕が過去に行って親を殺すこともできないのだ。とすると、僕の親はそのまま生き続けて僕を産む。そして産まれた僕は過去に行って親を殺す……とまあややこしいことになってしまうのだ。  なんでそんなややこしいことをするのだ。だいたい自分の親を殺すとはなんてヤツだ。しかも自分の存在がどうなるかわからないのに、と思ってるだろ。お、思ってるだろ! おおお、思ってるだろ。あるいは考えてるだろ。それとも思考してるだろ!  でも、それが天才科学者の偉大さってやつなのだ。日常的な道徳観とかを越えちゃってるってやつですか。真実を追求するためには自分の命も親の命も犠牲にしてもいいのだ。そしてノーベル賞とか受賞しちゃってエラそうにするのだ。そして、芥川賞とかも何故か受賞するのだ。ええと、それから、アカデミー賞の主演男優賞も狙うのである。ええと、それから、それからっ、年末にはレコード大賞とか。ええと、それから……(以下十九行省略)
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!