人類の未来は明るいのだ!

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 そうそう、親を殺すための凶器なんだけど、やっぱり、なんていうか、それっぽい小道具がいいのだ。というわけで、ついでに小型分子破壊銃を発明してしまった僕って天才であるのだ。どのくらい天才かっていうと、もうアインシュタインなんて子供扱いするくらいの大天才。ニュートンなんて僕に比べたらカスなのだ。世界中の頭脳が束になっても僕には……(以下三十八行省略)  さあ、タイムトラベルに成功したのだ。移動時間設定をマイナス10に合わせたから、十分前の世界に来たのだ。本当は、僕を産む前のお母様を殺すべきなのだが、僕の存在が消えてしまうのは人類の未来にとって大きな損失なので、中止なのだ。人類の諸君ありがたく思うのだ。  あれが僕のお母様だ。言い換えると母上だ。別の言い方をすると、おっかさんなのだ。量子力学的表現をすると母ちゃんだ。柳田民俗学的に言うとマザーだ。詩的な表現でいうと……(以下十四行省略)  僕のお母様めがけて分子破壊銃のスイッチオン! 説明しよう。分子破壊銃とは生命体を分子単位にまでバラバラにしてやっつける凄い武器なのだ。まいったか。こんな凄い武器を発明する僕ってかっこいい~!  ただものじゃないよね。よっ色男! 憎いねあんちゃん! こんな僕を天才と呼ばずして、いったい誰を天才と呼ぶべきであろうか。世界一の頭脳であるのだ。僕以上に凄いヤツはいないぞ。僕は……(以下百二十八行省略)  さあ、お母様を殺したことだし、元の時代にもどるのだ。
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