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7月10日 日曜日
今日、君が僕の前から居なくなった。
君が現れてから、僕の世界に色が着いた。よく聞く言葉だが、そんなことはないだろうと鼻で笑っていた。でも、本当だと知ったのは君と出会ってからだった。
居なくなった、という事実はわかる。でも、僕の頭はそれを理解してはくれなかった。
君を探して訪れたのは、君がよく行っていたところ。お気に入りのカフェ。お気に入りのブティック。
どこに行ってもそこは色の失われた世界であった。このまま君がいない日々を過ごしたら君がいたことも、世界が色づいたということも忘れてしまうのかもしれない。僕にはそれが怖い。
灰色の世界には戻りたくない。
だからこそ、この日記を書こう。君がいたことを忘れないために。
ここで、君に言えなかった愛の言葉を歌おう。恥ずかしがりやの僕たちが言えなかった言葉を忘れないために。
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