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ぼくへと紡ぐDiary
遠い遠い昔のこと。
ぼくが負った心と身体の傷を誰かに知って欲しくて、けど話す勇気も伝える誰かもいないから心の日記に書き記すことにする。
いつか誰かに読んでもらえることを願って───
長いあいだぼくは過去に体験した忌まわしい記憶のフラッシュバックに苦しんでいた。
それは中等部を卒業する頃までつづき、このままでは一生をダメにすると姉さんに言われ、高等部へ進学するに向けメンタルを鍛えろと地獄の特訓が始まった。
とはいえ自他ともにへたれと認めるぼくが道場の門戸をくぐり、心頭滅却して漢を極める世界である格闘技など習いにいけるはずもなく、それらならばと門戸をくぐったのは姉さんだった。
元々素質があったのか姉は入門後すぐに頭角を現していく。
半年もする頃には中堅ファイターの座を欲しいまま手にし、少ない女子の先輩門下生を叩きのめし屈服させた後は舎弟として足許に従わせた。
目ぼしい対戦相手がいなくなると今度は男子門下生に目をつけ、師の了解を取ると次々になぎ倒し屍と変えた後は想像に容易く、女子と同様に足許へ従わせるという道場の伝説になった。
ちなみに姉がくぐった門先は空手道場、つづいて噂に聞き興味が湧くとその足で棒術の習得に打ち込み、更には合気道と剣道をかけ持ちするという格闘派の青春を送る。
そこで学び身につけた技を姉なりに編成して素人でも習得できるよう立案し、それを半ば部屋で引きこもるぼくに手解きしてくれた。
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