1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい、拓海(たくみ)。私と別れて欲しいの」
「え、ちょ、おま、待って、え、な、な、なんで?」
「私、実は塚原君のこと、好きになっちゃったの、、、」
「え、うそ、だろ?え、なんで、俊介のことを、、、」
「とにかく、もう、私の好きな人は塚原君だから、、、ごめんね拓海」
そう言って彼女は、沙耶香(さやか)は行ってしまった。
1人教室に取り残される俺。
「はあー、まじか、、、」
俺、中条拓海は今日をもって高1の夏から付き合っていた彼女、奥村沙耶香に別れを告げられてしまった。しかも理由は、俺の小中高一緒の親友、塚原俊介を好きなってしまったからとのこと。
確かに沙耶香は俺の親友である俊介とも仲がいいが、まさか惚れてしまうなんて思っていなかった。第一、俊介は俺が沙耶香のことを初めて好きになったときに相談に乗ってくれた奴だ。仮に沙耶香から告白されても、きっと俺に気を遣って振るだろう。いや、振ってほしい。
しかし未だに信じられない。確かに最近は以前に比べて連絡も減っていたが、それでも俺はあいつのこと好きだったし、ラブラブで上手くいっていた、、、と思う。いや、そう思っていたのは俺の方だけで、沙耶香はきっともっと前から俺への愛情は冷めていたのだろう。
とは言え、俺には突然の出来事すぎて頭が真っ白だ。現実を受け入れられない自分がいる。それはそうだ。突如別れを告げられて、それを一瞬で受け入れろっていう方が難しい。
それにしても最近、ろくなことがないな、、、。
最初のコメントを投稿しよう!