最悪な日々

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サッカー部に所属している俺は、実はつい先日の練習試合で相手とぶつかった際に、左腕を骨折してしまった。3年生として最後の夏の県大会に挑む直前にこの有様だ。レギュラー当確だった俺は、今となってはベンチ入りも難しい。だって怪我して練習すらできないのだから。3年間全国目指して頑張って来たのに、最後がこんな終わり方になるとは神は非常なものだなと思う。 部活だけではない、勉強も上手くいっていなかった。 俺は都内の難関国公立大学の法学部を目指している。しかし現状の俺の学力では到底及ばず、この間の模試ではE判定合格率20%未満と判定され、担任からは浪人したくなければ志望校を変えろと言われた。 高2の夏からこの大学に入るために必死に勉強していたが、なかなか成績が上がらず悩んでいた。少なくとも部活から帰ってきてから、毎日3~4時間は勉強していた。もちろん部活を辞めればもっと勉強できるのかもしれないが、俺はサッカーが好きで最後までやり遂げたいと思っていたから、辞めるという選択はせず両立しようとした。しかし、結果は共倒れである。 挙句の果てに沙耶香から別れを告げられた。 なぜこのタイミングなんだ?なぜ勉強も上手くいかず骨折して部活も上手くいってない、そんな惨めで悲惨な俺を今振る? いや、惨めで悲惨だからこそ魅力がなくなってしまったのだろうか。それなら納得である。確かに放課後の教室で、ギプス姿で沙耶香に振られる俺の姿は無様だったろう。 とにかく最近はろくなことがない。最悪な日々の連続である。正直泣きたいくらいだ、この現状に。
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