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神様は不公平だ。
そんな言葉は聞き飽きた。
神様はどこにもいない。
それも聞き飽きた。
本当にいないから、探しもしないのか?
探しもしないから、いないのか?
えっこらせ ほいこらせ
鍬で畑を耕す男がいた。
「おいそこの人、ちょいと手伝っておくんな」
呼び止めた男は見すぼらしく、必死でその日の糧を得ようとする、貧しい農夫だった。
「ひとつ考えちゃくれないか?」
「なんだい学者か?オイラに学はないぜ」
「学に縛られない奴に訊きたいのさ。
お前さんにとっての神様ってなんだい?」
「そんなもん決まってる。
種をまけば芽吹き、花を咲かせて葉っぱが増え、秋には実りをつける事さ」
「そんなものを神様と言うのかい?」
「そんな当たり前があることが神様なのさ」
男は稲藁を撒いて、手を叩いた。
また来年も実るようにと。
「神様へ」完結
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